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感染性胃腸炎(ノロ・ロタ等)
感染性胃腸炎(ノロ・ロタ等)について
感染性胃腸炎とは、ウイルスや細菌などが胃腸に感染することで引き起こされる疾患の総称です。代表的な原因として、冬場に流行しやすいノロウイルスやロタウイルス、夏場に多いカンピロバクターやサルモネラ、腸管出血性大腸菌などの細菌が挙げられます。多くの場合、数日から1週間程度で自然に回復しますが、激しい症状により脱水症状を引き起こす危険性があるため注意が必要です。
また、症状が長引く場合や血便が見られる場合は、ただの胃腸炎ではなく、潰瘍性大腸炎やクローン病、大腸がん、虚血性大腸炎といった別の消化器疾患が潜んでいる可能性もあります。当院では、症状の経過を丁寧に伺い、必要に応じて適切な検査を行うことで、隠れた疾患を見逃さないよう努めています。
感染性胃腸炎(ノロ・ロタ等)の症状について
感染性胃腸炎を発症すると、原因となる病原体によって程度は異なりますが、主に消化器を中心にさまざまな症状が現れます。代表的な症状は以下の通りです。
- 突然の激しい吐き気や嘔吐
- 頻回に起こる水様性の下痢
- みぞおちや下腹部などの強い腹痛
- 37度から38度台の発熱や悪寒
- 体のだるさや倦怠感
- 筋肉痛や関節痛
- 水分が取れないことによる脱水症状
感染性胃腸炎(ノロ・ロタ等)の診断と検査について
感染性胃腸炎の診断は、主に問診で症状の経過や周囲の感染状況、直近の食事内容などを確認して行います。しかし、症状が重い場合や長引く場合、激しい腹痛や血便を伴う場合は、感染性胃腸炎以外の重大な疾患(虫垂炎、大腸憩室炎、虚血性大腸炎、大腸がんなど)を除外するための検査が重要となります。当院では以下の検査を組み合わせて正確な診断に努めています。
血液検査
体内の炎症反応の程度や、嘔吐・下痢による脱水状態、電解質(ミネラル)のバランスの乱れを確認します。
感染症検査(便検査)
必要に応じて便を採取し、ノロウイルスやロタウイルス、各種細菌などの原因病原体の有無を調べる迅速検査を行います。
腹部CT検査
激しい腹痛がある場合、虫垂炎(盲腸)や大腸憩室炎などの急性腹症が隠れていないかを確認します。当院ではCTを導入しており、受診当日に即日検査を行い、迅速に原因を特定することが可能です。
下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)
下痢が長期間続く場合や血便が見られる場合は、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、あるいは大腸がんなどの可能性を除外するために大腸カメラを実施します。当院の大腸カメラはAI導入により微小な病変の発見をサポートし、水浸法やCO2送気を活用して痛みに配慮した検査を行っています。
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
激しい胃痛や嘔吐が続く場合、胃潰瘍やアニサキス症など別の原因が疑われる際に実施します。当院では鎮静剤を使用し、眠っている間に終わる苦しくない胃カメラを提供しております。
感染性胃腸炎(ノロ・ロタ等)の治療法について
感染性胃腸炎に対する特効薬はウイルス性の場合には存在しないため、基本的にはご自身の免疫力で回復を待つ対症療法が中心となります。体力を消耗しないよう安静にし、適切な治療を行うことが大切です。
薬物療法
吐き気や嘔吐が強い場合には制吐剤(吐き気止め)、発熱や腹痛が強い場合には解熱鎮痛剤を処方します。下痢に対しては、病原体を体外へ排出する働きを妨げないよう、強い下痢止めは原則として使用せず、腸内環境を整える整腸剤を用いて自然な回復を促します。細菌感染が強く疑われる一部のケースでは、抗菌薬(抗生物質)を使用することもあります。
水分・栄養補給(脱水予防)
嘔吐や下痢により体内の水分と電解質が大量に失われるため、経口補水液などでこまめに水分を補給することが最も重要です。吐き気が強くて水分が全く取れない場合や、重度の脱水症状が見られる場合には、院内で点滴による水分と電解質の補充を行います。
感染性胃腸炎(ノロ・ロタ等)の予防について
感染性胃腸炎は非常に感染力が強いため、日頃からの予防対策と、周囲へ感染を広げないための配慮が重要です。特に冬場のノロウイルスやロタウイルスには十分な注意が必要です。
手洗いの徹底
トイレの後、調理の前、食事の前には、石鹸と流水でしっかりと手洗いを行うことが基本です。ノロウイルスなどはアルコール消毒が効きにくいため、物理的に洗い流すことが最も有効な予防法となります。
食品の十分な加熱
細菌性胃腸炎やウイルス性胃腸炎を防ぐため、肉類や魚介類(特に牡蠣などの二枚貝)は中心部までしっかりと加熱調理をしてから食べるようにしてください。まな板や包丁などの調理器具の衛生管理も大切です。
吐しゃ物や便の適切な処理
ご家族が感染した場合は、使い捨てのマスクや手袋を着用し、次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤)を用いて吐しゃ物やトイレの消毒を行ってください。汚れた衣類は他のものと分けて洗濯し、感染の拡大を防ぐ工夫が必要です。