コラム

大腸カメラ検査

大腸カメラが「怖い」「忙しくて行けない」方へ――便潜血陽性の検査をあきらめない工夫

便潜血陽性で大腸カメラをすすめられたものの、「痛そう・苦しそうで怖い」「仕事が忙しくて時間が取れない」と足が止まっている方へ。実は、大腸カメラの「つらさ」には医学的にはっきりした正体があり、正体がわかれば対策もあります。不安をひとつずつ分解してご説明します。

「痛い・苦しい」の正体は、腸が「伸ばされる」こと

大腸カメラの痛みの主な原因は、カメラが粘膜に触れることではありません。大腸には腸間膜でゆるく吊られた「固定されていない部分」があり、スコープが進む際に腸がループ状に伸ばされると、引っ張られる痛み(伸展痛)が起こります。裏を返せば、腸を伸ばさずに進める技術と、体の力が抜けた状態を作ることで、痛みは大きく減らせるということです。医師側の技術については苦痛を減らす大腸カメラの挿入技術で詳しく解説しています。

鎮静剤で何が変わるのか――「気づいたら終わっていた」の仕組み

当院で対応している静脈内鎮静法は、点滴から鎮静剤を投与し、うとうとと浅く眠ったような状態で検査を受ける方法です。全身麻酔とは異なり、ご自身の呼吸は保たれたまま、意識レベルだけを下げます。

鎮静剤には鎮静作用に加えて健忘作用(検査中の記憶が残りにくい働き)があり、「気づいたら終わっていた」「いつ入れたのか覚えていない」という感想の方が多くいらっしゃいます。「以前ほかの施設で受けてつらかった」という方こそ、鎮静での検査を一度ご相談ください。体の力が抜けることで腸のループもできにくくなり、検査そのものもスムーズになります。

なお、鎮静剤を使った日は判断力や反射が一時的に低下するため、車・バイク・自転車の運転はできません。公共交通機関でお越しいただき、検査後は院内でお休みいただいてからの帰宅になります。

時間の実際――「観察」は主に、カメラを抜きながら

意外に知られていませんが、大腸カメラはまず大腸のいちばん奥(盲腸)まで進め、そこから抜きながらじっくり観察する検査です。挿入から抜去までは通常15〜30分程度。ポリープ切除を行う場合でも、多くはその時間内に収まります。当日の全体像は「来院→(鎮静の方は点滴)→検査15〜30分→休憩→当日結果説明」で、院内の滞在は半日を見ていただければ十分です。

「忙しい」への対策――通院と拘束を最小限にする組み立て

  • 通院は原則2回:事前診察(検査日の3日前まで)と検査当日で完結します
  • 土曜・日曜午前(完全予約制)にも検査対応:平日を休まずに受けられます
  • 24時間WEB予約:思い立ったときに予約できます
  • 胃カメラとの同日検査:2つの検査を1日にまとめられます(同日検査について
  • 日帰りポリープ切除:見つかったポリープは大きさや形によってはその場で切除でき、後日あらためて処置に来る手間を減らせます
  • 結果は当日説明:結果を聞くためだけの再来院が要りません

「下剤がつらそう」という方へ――前処置も進化しています

大腸カメラのハードルとして、検査そのものと並んで挙がるのが「下剤(腸管洗浄剤)を大量に飲むのがつらそう」という声です。かつての下剤のイメージが強いのですが、現在は味や飲み方に選択肢があり、水やお茶と交互に少しずつ飲む方式が一般的で、「思ったより飲めた」という方が多くなっています。体質や過去の経験に合わせて事前診察で種類を選べますので、以前つらかった方もご相談ください。飲み方のコツは大腸カメラの下剤の飲み方とコツにまとめています。

前日の食事も、消化の良いものを選べば普段とそれほど変わりません。市販の検査食を使えば迷わず済み、コンビニで買える食品だけで組み立てることも可能です(大腸カメラの検査食はコンビニでも買える)。

それでも迷ったら――「相談だけの受診」から始められます

「予約=検査の確定」ではありません。まずは事前診察で、健診結果を見ながら検査の必要性・鎮静の可否・日程・費用を確認し、そのうえで検査日を決める流れです。話を聞いてから決めたい、という受診の仕方で構いません

便潜血陽性と言われてからの流れ全体については、便潜血検査で陽性と言われた方へで詳しくご案内しています。

「恥ずかしい」という方へ

検査時は専用の検査着(お尻の部分だけが開く使い捨てタイプ)に着替え、掛け物で体を覆った状態で行うため、肌が広く見えることはありません。ご不安な点は事前診察で遠慮なくお伝えください。女性が受けやすい大腸カメラの配慮もご参照ください。

費用の目安(3割負担)

検査内容3割負担の目安
大腸カメラ(観察のみ)約6,000円
大腸カメラ+ポリープ切除約15,000円〜
組織検査(生検)追加時約4,500円〜

費用の詳細や高額療養費制度については大腸カメラの費用をご覧ください。

よくあるご質問

Q. 鎮静剤は誰でも使えますか?

年齢・体格・持病・服用中のお薬を確認したうえで、使用の可否と量を調整します。心臓や呼吸の持病がある方は事前診察で必ずお知らせください。使わない選択ももちろん可能です。

Q. 検査を覚えていないのは、危なくないのですか?

鎮静剤の健忘作用によるもので、想定された自然な反応です。検査中は状態を確認しながら行い、終了後は院内で目が覚めるまでお休みいただきます。

Q. ポリープをその場で切除したら、そのあとの生活は?

切除した場合は、飲酒・激しい運動・長距離の出張や旅行などを一定期間控えていただきます。仕事の予定と合わせた日程の組み方も事前診察でご相談ください。詳しくは大腸カメラ検査後の食事・お酒・運動をご覧ください。

Q. 血液をサラサラにする薬や、持病の薬を飲んでいても受けられますか?

多くの場合受けられますが、抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)はポリープ切除の可否や休薬の要否に関わるため、必ず事前診察でお薬手帳をご提示ください。自己判断で中止するのは危険です。糖尿病のお薬も、検査当日は食事を抜くため服用方法の調整が必要になります。いずれも事前診察で個別にご案内します。

Q. 当日は付き添いが必要ですか?

必須ではありませんが、鎮静剤を使う場合はご自身での運転ができないため、送迎していただけると安心です。お一人の場合は、公共交通機関でお越しいただき、検査後に院内でしっかり休んでからお帰りいただきます。

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