便潜血検査で陽性と言われた方へ

健康診断や横浜市の大腸がん検診で、便潜血検査の結果に「陽性」「要精密検査」と記載されていた。その通知を手にして、不安なままこのページにたどり着いた方が多いのではないでしょうか。

はじめにお伝えしたいのは、陽性は大腸がんの診断ではないということです。過度に思い詰める必要はありません。ただし、陽性は「精密検査を受けてください」という明確なサインでもあります。そして、その出血がどこから来ているのかを確かめる方法は、大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)だけです。便潜血検査を受け直したり、様子を見たりすることは、精密検査の代わりにはなりません。

たかしな内科クリニックは、横浜市南区・吉野町駅から徒歩3分の消化器内科です。鎮静剤を用いた苦痛の少ない大腸カメラに対応し、日曜日の内視鏡検査も行っています。「怖い」「恥ずかしい」「時間が取れない」。そのどれもが受診をためらう自然な理由です。このページでは、陽性という結果が何を意味し、次に何をすればよいのかをご説明します。

便潜血検査の「陽性」は何を意味するのか

調べているのは「便に混じった目に見えない血液」

便潜血検査は、便の中に、肉眼ではわからないごく微量の血液が混じっていないかを調べる検査です。大腸のどこかに出血している場所があると、そこから出た血液が便に付着し、検査で検出されます。

自宅で採便して提出するだけという手軽さから、市区町村の大腸がん検診や職場の健康診断で広く用いられています。

ただし、この検査でわかるのは「出血しているかどうか」だけです。出血がどこから、なぜ起きているのかは、便潜血検査からはわかりません。

2回のうち1回だけ陽性でも、精密検査の対象です

便潜血検査は、2日分の便を採取する「2回法」で行われることが一般的です。「2回のうち1回だけ陽性だったが、それでも受けるべきか」というご質問をよくいただきます。

答えは、受けるべきです。大腸ポリープや大腸がんからの出血は、常に一定量が出続けるわけではありません。出血する日もあれば、しない日もあります。1回だけの陽性は「出血が少なかった」ことを意味するのであって、「病変が小さい」「心配ない」ことを意味しません。

同じ理由から、陽性のあとに便潜血検査を受け直して陰性でも、精密検査の代わりにはなりません。再検査で陰性になるのは珍しいことではなく、それによって病変が否定されるわけではないためです。「2回のうち1回だけ陽性」の意味については、便潜血検査、「2回のうち1回だけ陽性」は大丈夫?で詳しくご説明しています。

陽性のとき、大腸で何が起きている可能性があるか

大腸ポリープ

大腸の粘膜にできる隆起した病変です。その多くは腺腫と呼ばれるタイプで、時間をかけて大きくなり、一部は大腸がんへと進行することが知られています。自覚症状はほとんどありませんが、表面が便とこすれて出血し、便潜血検査が陽性となることがあります。

重要なのは、ポリープの段階で見つけて切除すれば、将来の大腸がんを予防できるという点です。便潜血陽性は、その機会を手にしたということでもあります。

詳しくは大腸ポリープをご覧ください。

大腸がん

初期の段階では自覚症状がほとんど現れません。血便・腹痛・便通の変化といった症状が出てきたときには、すでに進行していることも少なくありません。

自覚症状のない段階で発見する手段として、便潜血検査は現在もっとも有効なスクリーニング法のひとつです。早期に発見できれば、お腹を切らずに内視鏡での治療が選択できる場合もあります。

詳しくは大腸がんをご覧ください。

潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患

大腸の粘膜に慢性的な炎症が起こる病気でも陽性となります。下痢や粘液の混じった便が続いている場合は、この可能性も考えて大腸カメラで粘膜の状態を確認します。

痔核・裂肛(痔)

肛門の病気である痔でも陽性となります。実際に、陽性となった方の中には痔をお持ちの方が多くいらっしゃいます。しかし、ここが最も誤解されやすい点です。

「痔だから」で放置してはいけない、たった一つの理由

「自分は痔があるから、その血だと思う」というお話をよくうかがいます。お気持ちはよくわかります。しかし、次の一点だけは知っておいてください。

便潜血検査は、痔からの出血と、大腸の中からの出血を区別できません。

検査は「便に血が付いているか」を調べているだけで、その血がどこから来たのかを判定する仕組みを持っていません。つまり、痔があることは、大腸に病変がないことの証明にはならないのです。痔と大腸ポリープを同時にお持ちの方は、決して珍しくありません。

痔と大腸の病気の見分け方は痔と大腸がんの見分け方で詳しく解説しています。

こんな症状があれば、早めのご相談を

便潜血陽性に加えて、次のような症状や背景がある場合は、より早い受診をおすすめします。

  • 便に血が混じる、便器の水が赤くなる(血便)
  • 便が以前より細くなった、残便感が続く
  • 下痢と便秘を繰り返す、便通の変化が数週間続いている
  • ダイエットをしていないのに体重が減ってきた
  • 健康診断で貧血を指摘された
  • 50歳以上で、これまで一度も大腸カメラを受けたことがない
  • ご家族(親・兄弟姉妹)に大腸がんの方がいる

当院で大腸カメラを受ける3つの強み

1. 内視鏡専門医である院長が、検査を担当します

検査は、院長が担当します。昭和医科大学横浜市北部病院 消化器センター(世界消化器内視鏡学会〈WEO〉が認定する国際的優良施設)で内視鏡検査・治療の経験を積んだ、日本消化器内視鏡学会の消化器内視鏡専門医です。

大学病院で培われた内視鏡診断の視点を、地域のクリニックで受けていただけます。

2. AI診断支援システム(CADe)を併用した観察

内視鏡の画像をリアルタイムで解析し、ポリープなどの病変の発見を支援するAI診断支援システム(CADe:内視鏡画像診断支援)を導入しています。

AIが医師の観察を支援し、最終的な判断と処置は内視鏡専門医が行います。医師の目とAIによるダブルチェック体制により、見逃しのリスクをできる限り低減することをめざしています。

AIを活用した大腸カメラ画像解析に関する研究・論文執筆の実績があり、その知見を日々の検査に活かしています。

科学的根拠についてはAI診断支援と内視鏡専門医による大腸カメラで詳しくご説明しています。

3. 鎮静剤・CO2送気による、苦痛の少ない検査

「大腸カメラはつらい」というイメージから受診をためらう方に向けて、複数の工夫を取り入れています。

  • 鎮静剤(静脈内鎮静法):点滴から鎮静剤を投与し、うとうとした状態で検査を受けていただけます
  • CO2送気:腸を膨らませる気体に、体内に吸収されやすい二酸化炭素を使用します。検査後のお腹の張りが和らぎます
  • 軸保持短縮法:腸を無理に押し広げず、スコープをたぐり寄せるように進める挿入技術です

鎮静剤を使用した日は、お車・バイク・自転車の運転ができません。公共交通機関のご利用か、ご家族の送迎でのご来院をお願いいたします。

詳しくは痛くない大腸カメラの秘密をご覧ください。検査への不安が強い方は、大腸カメラが「怖い」「忙しくて行けない」方へもあわせてご覧ください。

診察当日のCT検査にも対応しています

当院は、院内にマルチスライスCTを備えています。これは、内視鏡を専門とするクリニックの多くが持っていない設備です。

便潜血陽性に加えて腹痛・体重減少・貧血などを伴う場合、大腸の中だけを見ていては原因にたどり着けないことがあります。当院では、大腸カメラの予約日を待つことなく、診察当日のCT検査で腹部全体の状態を確認することができます。肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓といった大腸以外の臓器も含めて評価し、必要な検査の順序をその日のうちに判断します。

「大腸カメラの予約が1か月先で、それまで不安なまま待つしかない」という状況を避けられることが、CTを院内に持つ最大の意味だと考えています。

詳しくは急な腹痛(急性腹症)と診察当日のCT検査CT検査(高度画像診断)をご覧ください。

受診から結果説明までの流れ

1. WEB予約(24時間受付)

24時間受付のWEB予約、またはお電話(045-253-2112)でご予約ください。健診の結果票をお持ちの方は、ご持参いただくとその後の判断がスムーズです。

2. 初回の診察

症状や便通の状態、既往歴、服用中のお薬をうかがいます。血液をサラサラにするお薬(抗血栓薬)を服用中の方は、必ずお申し出ください。ポリープ切除の可否に関わります。

その場で検査日を決定し、前処置用の下剤をお渡しします。

3. 前日の準備と当日の前処置

前日は消化のよい食事をとっていただきます。検査当日の朝から、腸管洗浄剤(下剤)を服用して腸をきれいにします。

詳しくは検査食・前日の食事リスト下剤の種類と飲み方をご覧ください。

4. 大腸カメラ検査

鎮静剤を使用し、うとうとした状態で検査を行います。観察時間は15〜20分程度です。

検査中にポリープが見つかった場合、多くのケースでそのまま切除まで行えます。電気メスを使わない日帰り大腸ポリープ切除(コールドポリペクトミー)を採用しており、入院や再来院の必要はありません。

詳しくは日帰り大腸ポリープ切除大腸カメラ検査の流れをご覧ください。

5. 結果のご説明

鎮静剤から目覚めたあと、リカバリースペースでお休みいただき、その日のうちに内視鏡で観察した所見を画像をお見せしながらご説明します。

なお、組織を採取した場合(生検)や、ポリープを切除した場合の病理検査の結果は、後日のご説明となります。この2つは分けてお考えください。

費用の目安

大腸カメラ検査には健康保険が適用されます。

検査内容1割負担の目安3割負担の目安
大腸カメラ(観察のみ)約2,000円約6,000円
大腸カメラ+ポリープ切除約5,000円〜約15,000円〜
組織検査(生検)追加時約1,000円〜約4,500円〜

上記は初診・再診料を含む目安の金額です。ポリープの数・大きさ・処置内容によって費用は異なります。

なお、大腸ポリープを切除した場合、医療保険の「手術給付金」が支給される保険商品があります。ご加入内容により異なりますので、保険会社または担当代理店にご確認ください。

詳しくは大腸カメラの費用をご覧ください。

よくあるご質問

Q. 便潜血検査で陽性でしたが、症状は何もありません。それでも大腸カメラは必要ですか。

必要です。大腸ポリープや早期の大腸がんは、自覚症状がないまま進行することがほとんどです。症状がないことは、病変がないことの根拠にはなりません。むしろ、症状のない段階で見つけることこそが、便潜血検査の目的です。

Q. 2回のうち1回だけ陽性でした。もう一度、便潜血検査を受け直せばよいですか。

受け直すのではなく、大腸カメラをお受けください。大腸の病変からの出血は毎日一定量出るわけではないため、再検査で陰性となることは珍しくありません。しかしそれによって病変が否定されるわけではありません。1回でも陽性であれば、精密検査の対象です。詳しくは、「2回のうち1回だけ陽性」は大丈夫?をご覧ください。

Q. 痔があります。それでも大腸カメラを受ける意味はありますか。

あります。便潜血検査は、痔からの出血と大腸内からの出血を区別できません。痔があることは、大腸に病変がないことの証明にはならないためです。痔と大腸ポリープを同時にお持ちの方も少なくありません。

Q. 陽性と言われてから、どのくらいの期間内に受けるべきですか。

できるだけ早く、遅くとも数か月以内を目安に受けることをおすすめします。大腸がんは早期に発見できれば治療の選択肢が広がります。「そのうち行こう」と考えているうちに年単位で過ぎてしまう方が少なくありません。先延ばしにした場合に何が起きるかは、大腸カメラは「いつまでに」受けるべきかで詳しくご説明しています。

Q. 検査は痛いですか。

当院では鎮静剤(静脈内鎮静法)を用い、うとうとした状態で検査を受けていただけます。あわせてCO2送気や軸保持短縮法を取り入れ、痛みや不快感の軽減に努めています。過去に大腸カメラでつらい思いをされた方も、ご相談ください。

Q. 検査当日に、ポリープの切除まで受けられますか。

多くのケースで、検査と同日に切除まで行えます。当院では出血や穿孔のリスクを抑えた日帰り大腸ポリープ切除(コールドポリペクトミー)を採用しています。ただし、ポリープの大きさや形状、服用中のお薬によっては、後日あらためて処置を行う場合があります。

Q. 平日に休みが取れません。土日に受けられますか。

当院では日曜日の内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)を行っています。日曜午前は完全予約制です。お仕事の都合で平日の受診が難しい方も、ご利用いただけます。

Q. 検査の結果はいつわかりますか。

内視鏡で観察した所見は、検査当日にご説明します。組織を採取した場合やポリープを切除した場合の病理検査の結果は、後日のご説明となります。

ご予約・アクセス

便潜血検査で陽性・要精密検査と言われた方は、どうぞお早めにご相談ください。結果票をお持ちいただければ、当日の診察でその後の流れをご案内します。

  • WEB予約:24時間受付
  • お電話:045-253-2112
  • 所在地:横浜市南区南吉田町2-28(横浜コスタセイス1F)
  • アクセス:市営地下鉄ブルーライン「吉野町駅」から徒歩3分/京急本線「黄金町駅」から徒歩7分
  • 駐車場:2台
  • 日曜日:午前は完全予約制。日曜の内視鏡検査に対応しています

[WEB予約はこちら]

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045-253-2112 09:00~12:00/15:00~18:00