コラム
大腸ポリープは小さくても要注意?10mm以下の「小型大腸がん」のリスクと内視鏡での早期発見
「ポリープが見つかったけれど小さいから大丈夫」「5mmや7mmなら切らなくていい」などの言葉を耳にすることがあります。確かに大腸ポリープはすべてが即座にがんになるわけではありません。しかし、「小さいから安全」という考えが必ずしも正しいとは言えないことが、最新の研究でわかっています。
昭和大学横浜北部病院消化器センターが行った研究では、10mm未満の小型T1大腸がんでも、10mm以上の大型T1大腸がんと同程度のリンパ節転移リスクがあることが明らかになりました。この研究結果は、大腸がんの早期発見における内視鏡検査の重要性を改めて示しています。
大腸ポリープとがんの関係
大腸ポリープにはさまざまな種類があり、すべてが将来がんになるわけではありません。しかし、腺腫と呼ばれるポリープはがんの前段階であり、放置すると数年〜十数年をかけてがんに変化していく可能性があります。
T1大腸がんとはどんな状態か
大腸がんの進行度は「T分類」で表されます。T1とは、がんが大腸の壁の浅い層(粘膜下層)にとどまっている状態です。T1は大腸がんのなかでは比較的早期の段階にあたり、内視鏡で発見・切除できる可能性が高い状態です。ただし、T1の段階であっても約10%の患者さんでリンパ節転移が起こることがわかっています。
リンパ節転移とは何か
リンパ節転移とは、がん細胞がリンパの流れに乗って周囲のリンパ節にまで広がった状態のことです。リンパ節転移が確認された場合、内視鏡による切除だけでは対処が難しく、追加の外科手術が必要になることがあります。
「小さければ安全」は思い込み——研究が示す事実
昭和大学横浜北部病院消化器センターは、32,025件の大腸病変データをもとに、T1大腸がん1,152例を分析しました。腫瘍サイズで10mm未満の「小型群」と10mm以上の「大型群」に分けて比較した研究です。
小型T1がんのリンパ節転移率は大型と変わらない
研究の結果、外科切除を受けた患者における小型T1がん(10mm未満)のリンパ節転移率は12.3%で、大型T1がん(10mm以上)の10.9%と統計的に有意な差はありませんでした。つまり、サイズが小さいからといってリンパ節転移のリスクが低いわけではないのです。
がんかどうかの判断はサイズではなく病理所見で決まる
この研究がもう一つ示したことは、追加の外科手術が必要かどうかをサイズだけで判断してはならないということです。腫瘍の大きさよりも、組織の顔つき(分化度)や脈管への侵襲(リンパ管・血管にがん細胞が入り込んでいるか)といった病理学的な所見が、治療方針の決定に重要であることが確認されました。
早期発見が治療の選択肢を広げる
小型のT1がんが発見された場合でも、病理所見によっては内視鏡的切除のみで完結する場合があります。大切なのは「小さいうち」つまり大腸の深い層にがんが達する前に発見することです。
ポリープ段階での発見が最も望ましい
大腸がんになる前の腺腫(ポリープ)の段階で発見して切除できれば、がん化のリスクをゼロに近づけることができます。ポリープは症状が出ないことがほとんどであり、自覚症状を待って病院を訪れるのでは遅くなることがあります。定期的な大腸カメラ検査こそが、ポリープやがんを症状が出る前に発見する最善の方法です。
小さな病変を見逃さないためのAI診断支援
5〜9mmのポリープや平坦な病変は、目視での発見が難しいことがあります。当院ではAI搭載の大腸カメラ(CADe)を使用しており、こうした小さな病変の見落とし防止に役立てています。小型のT1がんであっても転移リスクがあることを踏まえ、見落とさないことへのこだわりが大切です。
こんな方は大腸カメラをお勧めします
次のような方は、症状がなくても一度大腸カメラ検査を受けることをお勧めします。
- 40歳以上で一度も大腸カメラを受けたことがない
- 便潜血検査で陽性が出た
- 家族(親・兄弟姉妹)に大腸がんや大腸ポリープの方がいる
- 以前にポリープを切除したことがある
- 便が細くなった・残便感がある・血便が出るなどの症状がある
当院の大腸カメラ検査
当院は、AI診断支援と専門医の技術を組み合わせ、小さな病変も見逃さない精度の高い大腸カメラ検査を提供しています。院長は昭和大学横浜北部病院消化器センターでT1大腸がんに関する研究を行い、論文を発表してきた専門医です。学術的な知見に基づき、検査の精度と治療方針の適切な判断を大切にしています。
- AI搭載内視鏡(CADe)による小さな病変の見落とし防止
- 鎮静剤を使用した苦痛の少ない検査
- 日帰りポリープ切除(コールドポリペクトミー)に対応
- 日曜日の内視鏡検査も実施
「小さなポリープが見つかった」「大腸の検査をきちんと受けたい」という方は、ぜひ当院にご相談ください。