コラム
急な激しい腹痛|虫垂炎(盲腸)や結石を調べる、診察当日のCT検査
お腹の痛みには、一晩様子を見てよいものと、その日のうちに画像で確かめるべきものがあります。そして、この二つを痛みの強さだけで見分けることはできません。強い痛みでも数時間で治まるものがある一方、我慢できる程度の鈍い痛みの裏で、虫垂炎が静かに進行していることもあるからです。こうした、急に起こり、原因を早く見極める必要のあるお腹の痛みを、医学的には「急性腹症」と呼びます。
たかしな内科クリニックは、横浜市南区・吉野町駅から徒歩3分の内科・消化器内科です。院内にマルチスライスCTを備えており、診察したその日のうちにCT検査を行い、当日中に所見をご説明します。急な腹痛の原因を、その日のうちに画像で確かめられること。それが、CTを院内に持つ意味だと考えています。
CT検査で炎症や腫瘍が疑われ、さらに胃や腸の粘膜を詳しく調べる必要がある場合は、胃カメラ・大腸カメラで確認します。これらの検査は事前の準備が必要なため後日となりますが、CTからの流れを同じ院内で引き継げるため、あらためて他院を受診していただく必要はありません。
腹痛の方は、予約なしでのご来院も可能です。なお、冷や汗を伴う激痛が続く、大量の吐血や下血がある、胸から背中に抜けるような激痛がある、意識がもうろうとするといった場合は、受診をお待ちにならず、119番通報または救急外来の受診をご検討ください。
痛む場所からさがす
痛む場所によって、疑われる病気はおおよそ絞り込めます。
| 痛む場所 | 主に疑われる病気 |
| 右下腹部 | 虫垂炎(盲腸) |
| 左下腹部 | 大腸憩室炎 |
| みぞおち〜背中 | 急性膵炎、胃・十二指腸潰瘍 |
| 右上腹部 | 胆石症、胆嚢炎 |
| 背中〜脇腹 | 尿路結石 |
| お腹全体 | 腸閉塞、消化管穿孔、腸炎 |
痛む場所から、原因の見当をつける
右下腹部が痛む — 虫垂炎(盲腸)
はじめはみぞおちや、へその周りが漠然と痛み、半日から1日ほどかけて痛みが右下腹部へ移っていく。これが虫垂炎の典型的な経過です。発熱、吐き気、食欲の低下を伴うことがあります。
ただし、症状の出方には個人差が大きく、典型どおりに進まないことも珍しくありません。進行すると虫垂に穴が開き(穿孔)、腹膜炎に至ることがあるため、早い段階での診断が重要です。
CT検査では、虫垂の腫れ・周囲の炎症の広がり・穿孔の有無を直接確認できます。
詳しくは右下腹部が痛い|虫垂炎(盲腸)を当日CTで見極める、虫垂炎(盲腸)をご覧ください。
左下腹部が痛む — 大腸憩室炎
大腸の壁の一部が外側に袋状に飛び出したものを憩室といいます。ここに便がたまって炎症を起こした状態が、大腸憩室炎です。日本人では左下腹部(S状結腸)に起きることが多く、発熱を伴います。
多くは抗菌薬による治療で改善しますが、膿がたまったり、穴が開いたりする場合には入院が必要になります。CT検査で、炎症の範囲と重症度を評価します。
詳しくは左下腹部が痛い|大腸憩室炎の可能性と当日CT、大腸憩室症・憩室炎をご覧ください。
みぞおちから背中に抜けるように痛む — 急性膵炎、胃・十二指腸潰瘍
みぞおちの強い痛みが背中側へ回り込むように広がる場合、膵臓の炎症(急性膵炎)が疑われます。前かがみになると少し楽になるのが特徴です。飲酒後や、胆石をお持ちの方に起こりやすい傾向があります。
胃・十二指腸潰瘍でも、みぞおちの痛みが起こります。潰瘍が深くなって穴が開くと、突然の激痛に変わります。
詳しくは急性膵炎、背中が痛いのは内臓の病気?をご覧ください。
右上腹部が痛む — 胆石症・胆嚢炎
脂っこい食事のあとや夜間に、右上腹部からみぞおちにかけて痛みが起こり、右肩や背中に響くことがあります。胆嚢に石が詰まって起こる胆石発作です。炎症が加わると発熱し、胆嚢炎となります。
詳しくは胆石症・胆嚢炎をご覧ください。
背中から脇腹、下腹部へ痛みが走る — 尿路結石
腎臓でできた石が尿管に詰まると、突然の激しい痛みが起こります。痛みは背中から脇腹、そして下腹部や足の付け根へと移動し、血尿を伴うことがあります。「今までに経験したことのない痛み」と表現される方が多い病気です。
単純CT(造影剤を使わないCT)は、石の位置と大きさの確認に優れています。
詳しくは背中が痛いのは内臓の病気?をご覧ください。
お腹全体が痛む — 腸閉塞、消化管穿孔、腸炎
お腹全体の痛みに、嘔吐と排便・排ガスの停止が加わる場合は、腸閉塞(イレウス)が疑われます。過去に開腹手術を受けた方に起こりやすい病気です。
一方、下痢と発熱を伴うお腹全体の痛みであれば、感染性腸炎のことが多くなります。
詳しくは腸閉塞(イレウス)、感染性胃腸炎(ノロ・ロタ等)をご覧ください。
痛みの「出かた」からも、原因は絞れます
痛む場所だけでなく、どのように痛みが始まり、どう変化しているかも重要な情報です。
| 痛みの出かた | 疑われる状態 |
| 発症した瞬間が最も強く、突然ピークに達した | 消化管穿孔、尿路結石、腸管の血流障害、大動脈の病気 |
| じわじわと強くなり、数時間〜数日かけて悪化している | 炎症性の病気(虫垂炎、大腸憩室炎、胆嚢炎、膵炎) |
| 痛みに波があり、強くなったり弱まったりを繰り返す | 腸管や尿管のけいれん(腸閉塞、尿路結石) |
| 食後に決まって痛む | 胆石症、胃・十二指腸潰瘍 |
診察では、「いつから」「どこが」「どんなふうに」痛むのかを詳しくうかがいます。ご来院前に、痛みが始まった時刻を思い出しておいていただけると、診断の助けになります。
当院の強み:診察当日のCT検査に対応しています
院内にマルチスライスCTを備えています
急性腹症の診断において、CT検査は中心的な役割を果たします。レントゲンでは確認しにくい腹腔内の状態を、断層画像として詳細に捉えられるためです。
当院はこのCTを院内に設置しています。診察の結果、必要と判断すれば、その場で撮影し、当日中に所見をご説明します。他院へCTを撮りに行っていただく必要も、後日の予約を取り直していただく必要もありません。
撮影自体にかかる時間は数分です。
CT画像の読影は、院長が自ら行います
CT画像の読影は、院長が自ら行います。昭和医科大学横浜市北部病院 消化器センター(世界消化器内視鏡学会〈WEO〉が認定する国際的優良施設)で、多くの腹部CT診断の経験を積んだ日本消化器病学会の消化器病専門医です。
CT画像の読影に加えて、問診・診察所見・血液検査の結果を一つにつなげて判断できることが、消化器を専門とする医師がCTを持つことの意味だと考えています。
なお、検査部位や内容によっては、後日あらためて詳細な結果をご報告する場合があります。
内視鏡専門クリニックとの、決定的な違い
胃カメラ・大腸カメラを専門とするクリニックの多くは、CTを保有していません。内視鏡は、消化管の粘膜の表面を見る検査だからです。
しかし、急な腹痛の原因は、消化管の内側だけにあるとは限りません。虫垂・胆嚢・膵臓・腎臓・尿管・血管。腹腔内で起きていることを面としてとらえるには、画像が要ります。
当院は、画像(CT)と粘膜(内視鏡)の両方を、同じ場所で、同じ医師が扱える体制を持っています。
詳しくはCT検査(高度画像診断)、腹部CT(肝臓・胆嚢・膵臓)をご覧ください。
CTでわかること・わかりにくいこと
CTは万能な検査ではありません。何が得意で、何が不得意かを正しくお伝えします。
CTでよくわかること
- 虫垂の腫れ、周囲の炎症(虫垂炎)
- 大腸憩室の炎症の範囲と重症度(大腸憩室炎)
- 尿路結石の位置と大きさ
- 腸管の拡張と閉塞部位(腸閉塞)
- 腹腔内の遊離ガス(消化管穿孔)
- 膵臓の腫れ、胆嚢の腫れ、腹腔内の出血、大動脈の状態
CTでは見えにくいこと
- 胃・大腸の粘膜表面にできた、ごく早期の小さな病変
- 平坦な形をした早期がんやポリープ
- 粘膜の炎症の細かな程度(潰瘍性大腸炎の活動性など)
つまり、CTで「大きな異常はない」と確認できたとしても、それは粘膜に病変がないことの証明にはなりません。粘膜を直接見るには、内視鏡が必要です。
CTのあと、内視鏡へつなぎます
CT検査で緊急性のある病気が否定できたあと、次に考えるのは「では、この腹痛の原因は何なのか」です。CTで炎症や腫瘍が疑われた場合、あるいはCTで説明のつかない痛みが続く場合、粘膜を直接観察する内視鏡検査へ進みます。
- 大腸に炎症・狭窄・腫瘍が疑われる場合 → 大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)
- 胃・十二指腸に潰瘍や病変が疑われる場合 → 胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)
- 血便を伴う場合 → 大腸カメラ。あわせて便潜血検査で陽性と言われた方へもご覧ください
当院では、CTから内視鏡までを同じ施設内で、同じ医師が一貫して担当します。他院へ紹介状を持って移動していただく必要がなく、CTで得た情報をそのまま内視鏡検査に活かせます。
内視鏡検査では、鎮静剤(静脈内鎮静法)を用いた苦痛の少ない検査に対応しています。
詳しくは大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡)、胃カメラ検査(上部消化管内視鏡)をご覧ください。
受診当日の流れ
1. 受付・問診
腹痛の方は、予約なしでのご来院も可能です。痛みが始まった時刻、痛む場所、痛みの変化、発熱・嘔吐・下痢・血便の有無をうかがいます。
2. 診察・血液検査
お腹を触診し、炎症の広がりを確認します。あわせて血液検査を行い、白血球数やCRP(炎症の指標)、膵臓の酵素(アミラーゼ・リパーゼ)、肝機能などを調べます。
3. CT検査(診察当日)
医師が必要と判断した場合、その場でCTを撮影します。撮影時間は数分です。
4. 当日中の所見説明
撮影した画像を医師が確認し、その日のうちに所見の概要をご説明します。画像をお見せしながらお伝えしますので、気になることは遠慮なくお尋ねください。
5. 治療・内視鏡の予約・または紹介
- 内科的な治療で対応できる場合は、その場で治療を開始します
- 粘膜の精査が必要な場合は、大腸カメラ・胃カメラの予約をお取りします
- 緊急手術や入院が必要と判断した場合は、近隣の高度医療機関へ速やかにご紹介します
「かかりつけ医がいない」という方も、まずは当院にご相談ください。地域の基幹病院との連携体制を整えており、患者様が適切なタイミングで必要な医療を受けられるよう努めています。また、他院様からのCT検査依頼もお受けしています(他院様からのCT検査依頼)。
費用の目安
保険適用の場合
医師が検査の必要性を判断した場合、CT検査には健康保険が適用されます。撮影部位や処置内容によって異なりますが、3割負担の方で約6,000円が目安です。
自費でお受けになる場合
症状がなく、検診目的でCT検査をご希望の場合は自費となります。
| 検査部位 | 自費料金(税込) |
| 腹部・骨盤CT | 12,000円 |
| 胸部CT | 12,000円 |
| 頭部CT | 12,000円 |
上記は目安の金額です。複数部位の同時撮影など、検査内容によって料金が異なる場合があります。
詳しくはCT検査の費用をご覧ください。
よくあるご質問
Q. 急な腹痛です。予約なしで受診できますか。
はい、予約なしでのご来院が可能です。ただし、冷や汗を伴う激痛が続く、意識がもうろうとする、お腹が板のように硬いといった場合は、当院の受診をお待ちにならず、119番通報または救急外来の受診をご検討ください。
Q. CT検査は本当に当日に受けられますか。
当院は院内にマルチスライスCTを備えており、診察の結果、医師が必要と判断した場合には、その日のうちに撮影を行います。検査部位や内容によっては、後日あらためて詳細な結果をご報告する場合があります。
Q. CTの結果はいつわかりますか。
撮影した画像を医師が確認し、当日中に所見の概要をご説明します。画像をお見せしながらご説明しますので、その場でご質問いただけます。なおダブルチェックのため放射線科の専門の先生の読影レポートも後日確認することで見落としのリスクを最小限にしています。
Q. CTの被曝が心配です。
CT検査には放射線被曝を伴いますが、医師は検査によって得られる情報が被曝のリスクを上回ると判断した場合にのみ、検査をおすすめしています。当院では必要最小限の撮影範囲で行っています。ご不安な点は、検査前に遠慮なくお尋ねください。詳しくは造影CTと被曝・安全性をご覧ください。
Q. CTで異常がなければ、もう心配はいりませんか。
CTは、虫垂炎・尿路結石・腸閉塞・消化管穿孔といった緊急性のある病気の確認に優れています。一方で、胃や大腸の粘膜にできたごく早期の小さな病変や、平坦な形の病変は、CTでは見えにくいことがあります。粘膜の状態を確かめるには、胃カメラ・大腸カメラが必要です。
Q. 腹痛のあとに、内視鏡検査も同じ日に受けられますか。
内視鏡検査は前処置が必要なため、原則として後日のご予約となります。ただし、CT検査と血液検査は当日に行い、その結果をふまえて内視鏡の必要性と日程をその場で決定します。
Q. 右下腹部が痛みます。虫垂炎でしょうか。
右下腹部の痛みは虫垂炎の代表的な症状ですが、大腸憩室炎や尿路結石、女性では婦人科の病気でも同様の痛みが起こります。痛みの出かたには個人差が大きく、症状だけで確定することはできません。CT検査で虫垂の腫れや周囲の炎症を直接確認することをおすすめします。
Q. 痛みが軽くなってきました。受診しなくてもよいでしょうか。
痛みが軽くなっても、原因が解決したとは限りません。虫垂炎では、穿孔した直後に一時的に痛みが和らぐことがあります。数日以内に症状が繰り返す、発熱を伴う、痛みの場所が移動したという場合は、必ず受診してください。
ご予約・アクセス
急な腹痛でお困りの方は、予約なしでもご来院いただけます。事前にWEB予約またはお電話でご連絡いただけますと、待ち時間の短縮につながります。
- WEB予約:24時間受付
- お電話:045-253-2112
- 所在地:横浜市南区南吉田町2-28(横浜コスタセイス1F)
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