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アニサキス症
アニサキス症について
アニサキス症は、サバやアジ、イカ、サンマなどの魚介類に寄生する線虫であるアニサキスが、生きたまま人間の胃や腸の壁に刺入することで引き起こされる感染症です。主に刺身や寿司などを生食した数時間後に、激しいみぞおちの痛みを発症するのが特徴です。当院では、胃腸の専門外来として、突然の激痛に対する迅速な診断と内視鏡を用いた的確な摘出術を行っております。
アニサキス症の症状について
アニサキス症の症状は、感染した部位によって胃アニサキス症と腸アニサキス症に分けられますが、多くは胃で発症します。代表的な症状は以下の通りです。
- 食後数時間から十数時間後に起こる激しいみぞおちの痛み
- 吐き気や嘔吐
- お腹の張りや膨満感
- 下腹部痛や腹膜炎症状
- まれに蕁麻疹やアナフィラキシーなどのアレルギー症状
アニサキス症の診断と検査について
アニサキス症が疑われる場合、患者様の食事歴や症状の発現時期を詳しく問診した上で、速やかに以下の検査を行い、原因の特定と他疾患との鑑別を行います。胃潰瘍や膵炎、胃がんといった疾患の可能性もありますので、正確な診断が重要です。
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
胃アニサキス症の診断および治療において、最も確実で重要な検査です。胃カメラを用いて直接胃の粘膜を観察し、アニサキス虫体を確認します。当院では、患者様の苦痛を最小限に抑えるため、鎮静剤を使った苦しくない胃カメラの工夫や、鼻から挿入する経鼻スコープ、極細スコープを導入しております。
腹部CT検査
激しい腹痛があり、急性腹症など他の疾患との鑑別が必要な場合に行います。当院では即日対応可能なCT検査を導入しており、腸管の浮腫や状態を迅速かつ精密に評価することが可能です。
超音波検査(エコー)
痛みが激しく胃カメラの前に腹部の状態を素早く確認したい場合に実施します。腹部にエコーを当て、臓器の病変や異常を負担なく調べます。
血液検査
アレルギー反応の有無や、体内の炎症反応の程度を確認するために行います。
アニサキス症の治療法について
アニサキス症の治療は、症状の原因となっているアニサキス虫体を速やかに取り除くこと、あるいは症状を和らげる対症療法が基本となります。
内視鏡的摘出術
胃アニサキス症に対する最も確実な治療法です。胃カメラでアニサキス虫体を発見した場合、その場で専用の道具を用いて虫体を摘出します。当院では静脈内鎮静法にも対応しており、苦痛に配慮しながら安全に摘出を行います。虫体を取り除くことで、多くの場合、速やかに激痛が軽減します。
薬物療法
腸にアニサキスが侵入した腸アニサキス症の場合や、アレルギー症状が出ている場合には、内服薬や点滴などの薬物療法を行います。アニサキスは人間の体内では長く生きられないため、その間の痛みや症状を抑える薬を処方し、経過を観察します。
アニサキス症の予防について
アニサキス症は、魚介類の取り扱いや調理方法に気を配ることで予防が可能な疾患です。ご家庭で魚介類を調理・喫食する際は、以下の点にご注意ください。
加熱処理
アニサキスは熱に弱いため、中心部までしっかりと加熱することが最も確実な予防法です。十分な加熱調理を行うことで、感染を防ぐことができます。
冷凍処理
十分な冷凍処理を行うことでもアニサキスを死滅させることができます。マイナス20度以下で24時間以上冷凍された魚介類は、生食しても感染のリスクが大幅に低下します。
目視の確認と内臓の早期除去
魚を丸ごと購入した場合は、新鮮なうちに速やかに内臓を取り除くことが大切です。また、調理の際には目視でアニサキスがいないか確認し、細かく切るなどの工夫をすることでもリスクを減らすことができます。