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虚血性大腸炎
虚血性大腸炎について
虚血性大腸炎は、大腸の粘膜に栄養を送る血管の血流が一時的に滞ることで、大腸の組織が酸素不足(虚血)に陥り、炎症や潰瘍を引き起こす疾患です。高齢者に多く見られる病気ですが、便秘がちな若い方に発症することもあります。突然の激しい腹痛と下血が特徴であり、大腸がんや大腸憩室炎、感染性胃腸炎など他の消化器疾患と症状が似ているため、自己判断で放置せず医療機関での適切な鑑別を行うことが非常に重要です。
虚血性大腸炎の症状について
虚血性大腸炎では、主に以下のような症状が急激に現れることが特徴です。
- 突然の激しい下腹部痛(主に左側)
- 真っ赤な血便や下血
- 頻回な下痢や軟便
- 吐き気や嘔吐
- 冷や汗や血圧の低下を伴う強い腹痛
虚血性大腸炎の診断と検査について
虚血性大腸炎が疑われる場合、他の重篤な疾患を除外診断し、大腸の炎症の程度や範囲を正確に把握するために以下の検査を実施します。当院では、患者様のお体への負担を最小限に抑えつつ、迅速かつ正確な診断を行うための体制を整えています。
腹部CT検査
激しい腹痛や下血で受診された場合、まずは腸管のむくみや壁の肥厚、他の急性腹症(虫垂炎や憩室炎など)との鑑別を行うために腹部CT検査を実施します。当院ではCTを導入しており、即日での検査および診断が可能です。迅速に大腸の虚血状態や炎症の広がりを三次元的かつ精密に評価し、早期の治療方針決定に役立てます。
下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)
炎症のピークが過ぎた後、あるいは出血の原因を直接確認するために大腸カメラを実施します。大腸粘膜の浮腫や発赤、縦走潰瘍などの虚血性大腸炎に特有の所見を直接観察し、確定診断に導きます。また、大腸がんやポリープからの出血ではないことを確認するためにも欠かせない検査です。
当院の大腸カメラはAI技術を搭載しており、微小な病変も見逃さない精密な検査を提供しています。水浸法やCO2送気を取り入れ、痛みに配慮した苦しくない検査を心がけております。
血液検査
体内の炎症反応(白血球数やCRPの数値)の程度や、下血に伴う貧血の有無を確認します。全身状態の把握や脱水の有無を確認するための重要な指標となります。
虚血性大腸炎の治療法について
虚血性大腸炎の多くは一過性の症状であり、腸管を休ませることで自然に軽快するケースが一般的です。当院では、症状の重症度や患者様の全身状態に合わせて以下の治療を行います。
安静と食事療法
腸への負担を最小限に減らすため、消化の良い食事を指導し、ご自宅での安静を保っていただきます。症状が強い初期段階では、数日間の絶食を指示し、水分のみの摂取で腸管を休ませることで炎症の鎮静化を図ることもあります。
薬物療法
腹痛や炎症を和らげ、回復を促すための治療を行います。細菌感染の合併を防ぐための抗生物質、痛みを緩和するための鎮痛剤、腸内環境を整える整腸剤などを症状に応じて処方します。下痢や出血によって脱水症状が見られる場合には、点滴による水分や電解質の補給を行うこともあります。
虚血性大腸炎の予防について
虚血性大腸炎の主な原因は、便秘による腸管内圧の上昇や、加齢および生活習慣病に伴う血管の動脈硬化です。再発を防ぎ、大腸の健康を保つためには、日々の生活習慣の見直しが不可欠となります。
便秘の解消
排便時に強くいきむことは、大腸の血流を一時的に阻害する大きな要因となります。水分や食物繊維を意識して多めに摂取し、適度な運動を取り入れて規則正しい排便習慣を身につけることが大切です。当院では、患者様の体質に合わせたお薬の処方など、便秘コントロールの継続的なサポートも行っています。
生活習慣病の管理
高血圧症、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病は、全身の血管の動脈硬化を進行させ、腸の血流低下を引き起こす原因となります。当院では、かかりつけ医としてこれらの生活習慣病の総合的な管理と治療を行っており、動脈硬化の進行を防ぐことで虚血性大腸炎の予防に繋げています。
定期的な内視鏡検査と画像検査
大腸の健康状態を定期的に大腸カメラでチェックすることで、がんやポリープなどの他の腸疾患を未然に防ぐことができます。また、動脈硬化のリスクが高い方には、内臓脂肪CT検査を活用したメタボリックシンドロームの評価も推奨しています。お腹の不調や便の異常を感じた際は、お早めに当院へご相談ください。